2021年6月8日までザッハトルテの元祖ホテルザッハーが世界に向けてザッハトルテの通販60ユーロ以上のお買い上げで送料無料キャンペーンを行いました。
ツイッターの甘味好き勢はホテルザッハーのザッハトルテの通販の話題で大賑わいで、このビッグウェーブに当方も乗って、乗りこなしたい!と思ったのです。
でも、なんかホテルザッハーから通販できませんでした。しかし、高ぶるザッハトルテへの思い。それを記事という形にしました。
- ザッハトルテとは?
- ザッハトルテの歴史
- どんな裁判が起こったの?
- ホテルザッハーとデメルのザッハトルテの違いは?
- ザッハトルテを愛した皇后とは?
- ザッハトルテのおいしい食べ方は?
- 日本で本場の味を楽しむには?
- ザッハトルテを食べよう
ザッハトルテとは?
チョコレート味のバターケーキにあんずジャムを塗り、表面をチョコレート入りの糖衣と呼ばれるものでコーティングしたずっしりとしたケーキです。
現在ではバターケーキにあんずジャムを基本としつつ、表面のコーティングもグラサージュだったりと様々なアレンジがされています。
本来のザッハトルテは甘さが濃厚なので、日本では日本人向けに甘さ控えめになったものも多いようです。
ザッハトルテが生まれた時代のチョコレートは質が悪いうえに苦みも強く、コーティングに砂糖を入れることで味や量を調節したのではと推測されています。
ザッハトルテの歴史
ザッハトルテは1832年にオーストリアの政治家メッテルニヒに料理人として仕えていたフランツ・ザッハー氏が考案したのが始まりです。
考案のきっかけは貴族たちのために新しいデザートを作るようにとメッテルニヒから命じられたことで、ザッハトルテは貴族たちに好評を博しました。
当時は馬車での移動が当たり前だったので、揺れで崩れないようにどっしりずっしりとした作りとなっているそうです。
その後、フランツ氏の次男がホテルザッハーを開業し、カフェとレストランで門外不出のレシピのケーキとしてザッハトルテは提供されることになります。
フランツ氏の孫であるエドワルドの代でホテルザッハーが経営難に陥り、資金援助の見返りに王室御用達カフェのデメルにレシピと販売権を譲渡したのです。
どんな裁判が起こったの?
フランツ氏の孫エドワルドの死後に遺族が、デメルにオリジナルのザッハトルテを名乗らないように、販売しないようにという裁判を起こします。
ザッハー側の言い分はオリジナルのザッハトルテはザッハーのものだけというもの。
この裁判は7年にも及び続き、ザッハーもデメルもザッハトルテを販売してもいいが、オリジナルを名乗っていいのはザッハーだけという結果になりました。
以後、ホテルザッハーのザッハトルテはオリジナルのザッハトルテ、デメルのものはデメルのザッハトルテと呼ぶようになりました。
ホテルザッハーとデメルのザッハトルテの違いは?
ザッハーとデメルのザッハトルテのコーティングはどちらも砂糖入りのチョコレート衣で、中はバターケーキにアプリコットジャムを塗っていますが、違いが2つあります。
1つ目は乗っているチョコレートのマークです。ザッハーは丸いチョコレート、デメルは三角のチョコレートが乗っています。
2つ目です。ザッハーがスライスしたバターケーキにあんずジャムをサンドし、さらにバターケーキを覆うように全体にあんずジャムを塗っています。
一方のデメルはバターケーキを覆うようにあんずジャムを塗っているだけで、ザッハーのようにスライスしてまで塗ってはいません。
ザッハトルテを愛した皇后とは?
オーストリア皇后エリーザベトは夕方にカフェデメルでザッハトルテをいただいたそうです。
この人はヨーロッパの真珠と言われたほどの美貌の持ち主な一方で、自由奔放な性格をしていました。
宮廷の暮らしが合わず旅行に行ったり浪費もしたりする一方で、ダイエットや美容に執拗な執念を燃やし、徹底した食事制限や運動をする生活を送っていたのです。
美容への意識が高い工合にとってもザッハトルテはそれほどまでに魅力的だったのでしょう。
ザッハトルテのおいしい食べ方は?
現在では様々にアレンジされたザッハトルテがありますが、本来のザッハトルテは濃厚な甘さが特徴のケーキです。
その甘さを和らげるために、6分立てした無糖のホイップクリームを添えていただくのが定番となっています。
カットする時は普通に包丁を入れると砂糖衣が割れてしまうので、包丁を温め、切れ目をつけてからゆっくりとカットしていきます。
日本で本場の味を楽しむには?
日本でもホテルザッハーのザッハトルテを通販することができます。ドイツ語と英語のサイトですが、グーグル翻訳を駆使すれば何とかなります。
デメルは日本でも店舗展開していて、通販も日本語でできるので気楽に買うことが可能です。
どうせなら、ホテルザッハーのものを食べてみたいけど、海外輸入はハードルが高いという人は高級洋菓子店カサミンゴーのザッハトルテがいいでしょう。
原料もヨーロッパから輸入しているため、本場に限りなく近い味と評判です。
ザッハトルテを食べよう
著名人に愛されたケーキは数あれど、裁判沙汰に巻き込まれたりと、なかなか他のケーキにはないエピソードを持っているのがザッハトルテになります。
貴族たちの間で人気となったケーキはその後、世界的有名となり、ウィーン観光ではホテルザッハーとデメルのものを食べ比べる人も多いそうです。
海外旅行にはなかなか行きづらくてもオリジナルに近いものからアレンジされたものまで様々なザッハトルテを楽しむことができます。
ぜひ無糖のホイップとコーヒーを添えて、ザッハトルテを楽しみましょう。