古代メキシコでのカカオ豆の7つの使い道を紹介

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古代メキシコ以外にも近代近くになるまで、中米の人々にとってカカオ豆はとても重要なものでした。

今回は古代メキシコの時代から16世紀にかけてのカカオ豆の使い道についてご紹介するので、ぜひ知識を深めてください。

 

お金

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人々にとってもっとも親しまれた使い道はお金でした。

お金としての使い道を詳しく知りたい方は以下の記事に詳しく説明しているので、ご覧ください。

カカオ豆は古代メキシコではお金だったって本当?使い方から物価も解説 - ショコラの読み物

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現在ではカカオ豆はチョコレートなどに加工され嗜好品として親しまれていますが、薬としても長い間使われてきました。

現代でもカカオ豆は多くの効能が認められていますが、当時は口内炎をはじめ、内臓疾患や虫刺されなど幅広い治療に使われ、万能薬的な扱いを受けていたのです。

基本的にカカオ豆単体を飲み物にして飲むこともありましたが、薬草など他の薬効成分を持つ植物を混ぜ、飲まれました。

ヨーロッパにも最初、カカオ豆は便秘や気分を良くする効果がある薬として伝えられ、幕末日本の書物にも薬という記述があります。

儀式

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古代メキシコを始め、中米の人々はカカオの外側の殻の形を見て、心臓を連想したらしく、特別な神聖な力を持つ木の実だと信じていました。

そのため、結婚式や誕生などあらゆる儀式で使われたのです。使われ方もトウモロコシの粉と混ぜる飲み物にして飲む以外にも、お供え物にも使いました。

飲み物

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カカオ豆から現在のような固形のチョコレートが生まれたのは19世紀のことで、それ以前はカカオ豆をすりつぶし、水とスパイスを加えた飲み物が一般的だったのです。

マヤアステカの時代にカカオ豆を飲むことができたのは王族、兵士、司祭といった特権階級だけで、カカオ豆を庶民は飲むことができない特別な飲み物でした。

スペインに征服された後に、ようやく庶民に飲み物として広まっていきます。これは征服に伴い、王族といった特権階級がいなくなったことも関係していました。

現在でも中米に住む先住民たちは当時の飲み方でカカオ豆を飲むそうです。

貢納品(こうのうひん)

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貢納とは品を領主などに納める代わりに、世襲した農地の耕作を認めてもらうことを言います。ある種の税金のようなものと思えばわかりやすいかもしれません。

村や町は市などにカカオ豆を納める代わりに、土地を耕す権利を認めてもらっていたのです。

王など貴族たちはこのような手段でもカカオ豆を入手できたため、日常的な飲み物とすることができました。

交易品

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中米がスペインに征服された後、カカオ豆は貢納品ではなく、商品の性質が強くなり交易品として売買されることが多くなっていきます。

スペインに征服された後も、中米ではカカオ豆はお金として重要な役割を果たしているのですが、カカオ豆が採れない地域もあります。

そういう地域ではスペイン征服前からもですが、カカオ豆を交易で購入する必要があったのです。

カカオ豆を専門に取り扱う商人もいて、取引は大規模に行われていました。

食用

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カカオ豆はお金でもあったので、頻繁に食べられていたわけではありませんが、食用として少量食べることもありました。

カカオ豆を覆う表面の果肉を食べることもあれば、乾煎りしたものを食べることも多かったようです。

幅広い使い道があったカカオ豆

古代メキシコを始め、中米でのカカオ豆の主な使い道を紹介しました。通貨・商品・儀式・飲み物・食用など幅広く使われていることに驚いてしまいます。

現在でもメキシコなどに住む先住民の方たちは儀式にカカオ豆を使い、飲み物を作っているそうです。機会があれば、当時のチョコレートドリンクを味わってみたいですね。

参考文献

チョコレートの文化誌(八杉佳穂・著/世界思想社